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理工学部 教員紹介

研究者リスト >> 藤原 均
 

藤原 均

 
アバター
研究者氏名藤原 均
 
フジワラ ヒトシ
URLhttps://sites.google.com/site/hfujiwara630/home
所属成蹊大学
部署理工学部 共通基礎
職名教授
学位博士(理学)(東北大学)

プロフィール

<<研究分野と背景>>
大気上端に位置する熱圏・電離圏領域(高度、およそ100-800 kmの領域)は、人工衛星やスペースシャトルが飛翔しオーロラが乱舞する、宇宙空間と大気との境界領域である。上方(磁気圏)からの太陽風起源のエネルギーと、下方(対流圏・成層圏・中間圏)からの大気波動等のエネルギー・運動量流入によって、熱圏・電離圏が激しく変動する様子が近年の観測・数値シミュレーションから明らかとなってきた。また、熱圏・電離圏の変動予測は、GPS 測位に代表される通信システムの高度な宇宙利用の結果、その安全な運用のために情報・通信、航空宇宙分野においても重要な研究課題となっている。

<<主な研究テーマ>>
1. 地球大気全域大循環モデル開発とシミュレーション 
九州大学グループとの共同により、地表から大気上端までを計算可能な数値モデルの開発に世界で初めて成功した[Miyoshi and Fujiwara, 2003]。高度約 300 km の領域でオーロラエネルギー流入によって極域で励起される大規模波動に加えて、昼夜境界や真夜中の温度異常帯でも地球の自転にともなって伝搬性の大気擾乱が励起される可能性がはじめて示された[Fujiwara and Miyoshi, 2006]。さらに、高度300 kmの高高度においても対流圏起源と考えられる大気変動が見つかっており、次々と新しい成果が生まれつつある[例えば、Fujiwara and Miyoshi, 2009, 2010]。

2. 欧州非干渉散乱レーダー観測研究 
極域熱圏・電離圏での大気運動やエネルギー収支を調べるため、国際共同で北欧に設置されている欧州非干渉散乱(European incoherent scatter: EISCAT)レーダー・データの解析を行ってきた。
下部熱圏では、強い鉛直シアー(> 50 m/s/km)を伴った水平風がしばしば観測されるが、その成因や熱圏での運動量・エネルギー収支に果たす役割については理解が及んでいない。EISCATデータから水平風プロファイルを高時間分解能で導出し、(シアー不安定に起因する)乱流エネルギー散逸量と磁気圏から流入する電磁エネルギー散逸量の同時推定にはじめて成功した [Fujiwara et al., 2004]。また、地磁気擾乱時の極冠域で電離圏・熱圏加熱現象についても新たな知見が得られている [Fujiwara et al., 2007; Fujiwara et al., 2014]。2010-2017年度にはEISCAT特別実験が採択され、極冠域での熱圏・電離圏変動について詳細を調べている。

3. 大気圏・電離圏統合モデル開発
衛星通信等の宇宙通信が我々の生活に不可欠となった結果、熱圏・電離圏変動による通信障害は航空機や船舶のGPS測位を不能とし重大事故を引き起こす可能性を伴うようになった。しかしながら、モデリング研究の遅れと基礎データの不足などからここでの変動予測は天気予報のレベルにはほど遠い。熱圏・電離圏の数値予報のためのシステム構築と観測データに基づく素過程のモデリングを実施している。本研究では、九州大学、情報通信研究機構、国立極地研究所、名古屋大学、京都大学グループとの共同によって研究を進めている。(Jin et al., 2011など)

4. 宇宙機軌道データ等からの熱圏大気質量密度の推定
人工衛星や他の宇宙機の軌道データや加速度計データを用いることにより、熱圏領域の大気質量密度が推定できる。しかしながら、現状では、広範囲にわたっての高時空間分布の推定は困難であり、これまで観測が十分ではなかった高度200-300kmでの密度推定のための研究を進めている(JAXA、九州大学との共同研究)。本研究課題は、宇宙機に働く大気摩擦力の推定(予測)にもつながるものであり、宇宙機の安全な運用において重要と考えられる。

研究キーワード

 
宇宙天気 , 超高層物理学 , 熱圏 , 電離圏 , オーロラ , 宇宙環境

研究分野

 
  • 地球惑星科学 / 超高層物理学 / 

経歴

 
2011年4月
 - 
現在
成蹊大学 理工学部 教授
 
2010年1月
 - 
2011年3月
東北大学 大学院理学研究科 地球物理学専攻 准教授
 
1999年
 - 
2009年
東北大学 大学院理学研究科 助手 (2007年より助教)
 
2002年
 - 
2003年
ロンドン大学ユニバーシティカレッジ 研究員
 
1996年
 - 
1999年
京都造形芸術大学 専任講師
 

学歴

 
 
 - 
1996年
東北大学 理学研究科 地球物理学
 
 
 - 
1991年
東北大学 理学部 宇宙地球物理学科
 

委員歴

 
2019年7月
 - 
現在
日本極地研究振興会  理事
 
2018年4月
 - 
現在
成蹊大学・成蹊学園  評議員
 
2014年
 - 
現在
情報・システム研究機構国立極地研究所  非干渉散乱レーダー委員会委員
 
2018年4月
 - 
現在
情報・システム研究機構国立極地研究所  総合研究委員会委員
 
2016年9月
 - 
2017年10月
宇宙航空研究開発機構  SLATS(「つばめ」)衛星外部審査委員
 
2013年4月
 - 
2016年3月
日本気象学会  堀内賞推薦委員会
 
2014年4月
 - 
2015年3月
名古屋大学太陽地球環境研究所  ジオスペース研究センター総合観測委員会 委員
 
2013年4月
 - 
2015年3月
地球電磁気・地球惑星圏学会  大林奨励賞推薦委員会
 
2011年4月
 - 
2015年3月
Earth Planets and Space  Editor
 
2009年8月
 - 
2013年12月
The Scientific Committee On Solar-TErrestrial Physics (SCOSTEP)  Task Group 4 Project4 Co-Leader
 

受賞

 
2019年
地球電磁気・地球惑星圏学会 田中舘賞 「グローバル数値モデルを用いた熱圏・電離圏変動の研究」
 
2017年
日本地球惑星科学連合(JpGU) PEPS The Most Accessed Paper Award 2017(http://progearthplanetsci.org/awards_j/most-accessed-2017.html) The geospace response to variable inputs from the lower atmosphere: a review of the progress made by Task Group 4 of CAWSES-II
 
2010年
日本気象学会堀内賞(https://www.metsoc.jp/about/awards/horiuchi-recipients) 「地表から熱圏までを含む大気大循環モデルの開発と大気領域間結合過程の研究」
 

論文

 
Yasunobu Miyoshi, Hidekatsu Jin, Hitoshi Fujiwara, and Hiroyuki Shina gawa
J. Geophys. Res.   (123) doi: 10.1002/2017JA025110   2018年   [査読有り]
Daily and seasonal variations in the linear growth rate of the Ray-leigh-Taylor instability in the ionosphere obtained with GAIA
Hiroyuki Shinagawa, Hidekatsu Jin, Yasunobu Miyoshi, Hitoshi Fujiwara, Tatsuhiro Yokoyama and Yuichi Otsuka
Progress in Earth and Planetary Science   doi: 10.1186/s40645-018-0175-8   2018年   [査読有り]
Shigeru Fujita, Yuka Murata, Ikuko Fujii, Yasunobu Miyoshi, Hiroyuki Shi-nagawa, Hidekatsu Jin, Hitoshi Fujiwara
Space Weather   https://doi.org/10.1002/2017SW   2018年   [査読有り]
Takahashi, T., K. Hosokawa, S. Nozawa, T. T. Tsuda, Y. Hiraki, J. Sakai, Y. Ogawa, M. Tsutsumi, H. Fujiwara, T. D. Kawahara, N. Saito, S. Wada, T. Kawabata, and C. Hall
J. Geophys. Res.   122 doi: 10.1002/2016JA023472.   2017年   [査読有り]
Shinagawa, H., Y. Miyoshi, H. Jin, and H. Fujiwara
J. Geophys. Res.   122 doi:10.1002/ 2016JA023778   2017年   [査読有り]
Miyoshi, Y., D. Pancheva, P. Mukhtarov, H. Jin, H. Fujiwara and H. Shina-gawa
J. Atmos. Terr-Sol.Phys.   156 24-36   2017年   [査読有り]
Terada, N., F. Leblanc, H. Nakagawa, A. S. Medvedev, E. Yigit, T. Kuroda, T. Hara, S. L. England, H. Fujiwara, K. Terada, K. Seki, P. R. Mahaffy, M. Elrod, M. Benna, J. Grebowsky, and B. M. Jakosky
J. Geophys. Res.   122 doi:10.1002/2016JA023476   2017年   [査読有り]
Tao, C., H. Jin, H. Shinagawa, H. Fujiwara, Y. Miyoshi
J. Geophys. Res.   122 doi: 10.1002/2017JA024278   2017年   [査読有り]
Terada, K., N. Terada, H. Shinagawa, H. Fujiwara, Y. Kasaba, K. Seki, F. Leblanc, J.-Y. Chaufray, and R. Modolo
J. Geophys. Res   (121) DOI: 10.1002/2015JE004961   2016年
The geospace response to variable inputs from the lower atmosphere: a review of the progress made by Task Group 4 of CAWSES-II
Jens Oberheide, Kazuo Shiokawa, Subramanian Gurubaran, William E Ward, Hi-toshi Fujiwara, Michael J Kosch, Jonathan J Makela, and Hisao Takahashi
Progress in Earth and Planetary Science      2015年   [査読有り]

書籍等出版物

 
プラズマ原子分子過程ハンドブック
大阪大学出版会   2011年3月   
学生のためのコンピュータ活用術
昭和堂   1998年   

講演・口頭発表等

 
The impact of atmospheric waves on the O2 1.27-μm night-glow distribution
38th COSPAR Scientific Assembly 2010   2010年   
Effects of upward propagating atmospheric waves on day-to-day variations in the upper atmosphere by using an atmosphere-ionosphere coupled model
38th COSPAR Scientific Assembly 2010   2010年   
Development of an ionospherie-atmosphere coupled model for space weather forcast
38th COSPAR Scientific Assembly 2010   2010年   
Wavy structures of temperature and density in the polar thermosphere simulated by a whole atmosphere GCM
38th COSPAR Scientific Assembly 2010   2010年   
木星熱圏極域3次元大気運動による磁気圏・電離圏結合系の制御
地球惑星科学関連学会連合大会   2010年   
木星超高層のプラズマ中性大気相互作用の電磁環境への影響
地球惑星科学関連学会連合大会   2010年   
太陽X線・紫外線強度の変動による火星電離圏の応答
地球惑星科学関連学会連合大会   2010年   
金星中間圏・熱圏における大気波動伝搬と波動-波動相互作用
地球惑星科学関連学会連合大会   2010年   
三好 勉信・陣 英克・藤原 均・品川 裕之・寺田 香織
地球惑星科学関連学会連合大会   2010年   
2009年7月22日の日食における電離圏変動のシミュレーション
地球惑星科学関連学会連合大会   2010年   

担当経験のある科目

 
  • 文化財科学基礎 (京都造形芸術大学・芸術学部)
  • コンピュータ演習A・B・C (京都造形芸術大学・芸術学部)
  • 情報論A・B (京都造形芸術大学・芸術学部)
  • 地球環境変動学 (東北大学 大学院環境科学研究科)
  • 地球物理学実験 (東北大学 理学部 宇宙地球物理学科)
  • 惑星大気物理学演習 (東北大学 理学部 宇宙地球物理学科)
  • 電磁気学II演習 (東北大学 理学部)
  • 情報処理概論 (東北大学 理学部)
  • 現代物理学特別講義(地球・惑星超高層物理学) (立教大学理学研究科)
  • 地球惑星科学特別講義Ⅴ 集中講義 (九州大学 理学研究院)
  • 物理学特論 集中講義 (埼玉大学 理学部・理工学研究科)
  • 太陽地球系物理学特別講義I・集中講義 (名古屋大学太陽地球環境研究所)
  • 太陽系物理学特論・集中講義 (東北大学 大学院理学研究科)
  • 惑星大気物理学特論・集中講義 (東北大学 大学院理学研究科)
  • 地学実験 (成蹊大学 理工学部)
  • 超高層大気物理学 (成蹊大学 理工学研究科)
  • 地球環境変動論 (成蹊大学 理工学研究科)
  • 応用数学 (成蹊大学 理工学部)
  • 地学概説 (成蹊大学 理工学部)
  • 科学的に考える(環境とエネルギー) (成蹊大学(全学共通))
  • 解析III・IV (成蹊大学 理工学部)
  • 線形数学I・II (成蹊大学 理工学部)
  • 解析I・II (成蹊大学 理工学部)

所属学協会

 
地球電磁気・地球惑星圏学会 , American Geophysical Union , 日本気象学会 , 日本地球惑星科学連合

Works

 
マイクロサテライト・地上観測連携による高々度放電発光と地球ガンマ線現象の解明
2007年 - 2012年
スペクトル取得型光学オゾンゾンデの開発
2007年 - 2010年
太陽活動が及ぼす地球大気への影響のモデリングと定量化
2005年 - 2009年
地表から大気上端までの大気大循環モデルの開発と数値シミュレーション
2003年
北欧非干渉散乱レーダーを用いた熱圏/電離圏領域でのエネルギー収支の研究
2001年

競争的資金等の研究課題

 
マルチビームライダーを中心に用いた精密拠点観測による北極域大気上下結合の解明
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2017年4月 - 2020年3月    代表者: 野澤 悟徳(名古屋大学)
高分解能版大気圏・電離圏モデルによる熱圏重力波の研究
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2015年4月 - 2019年3月    代表者: 三好勉信(九州大学)
中間圏・下部熱圏H2O・HOx光化学モデルの開発研究
科研費・新学術領域研究
研究期間: 2016年4月 - 2018年3月    代表者: 藤原 均
エルニーニョ気候変動に対する超高層大気の応答とそのメカニズムの解明
科研費・基盤研究(C)
研究期間: 2015年4月 - 2018年3月    代表者: Liu Huixin(九州大学)
北極域拠点観測による大気上下結合の研究
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2013年4月 - 2016年3月    代表者: 野澤 悟徳(名古屋大学)
新技術ライダー観測を活用した超高層大気下部の化学過程と物質輸送の研究
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2012年4月 - 2015年3月    代表者: 中村卓司(極地研究所)
全大気統合モデルを用いた温室効果ガス増加による超高層大気長期変動の研究
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2011年4月 - 2015年3月    代表者: 三好勉信(九州大学)
電離圏嵐の数値予報:北極・赤道域観測と連携したシミュレーション手法開発
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2011年4月 - 2014年3月    代表者: 藤原 均
データ融合シミュレーションによる熱圏・電離圏変動の研究
科研費・基盤研究(C)
研究期間: 2008年4月 - 2011年3月    代表者: 藤原 均
大気圏-電離圏統合モデルによる超高層大気の変動機構の解明と数値予測システムの構築
科研費・新学術領域研究
研究期間: 2008年4月 - 2011年3月    代表者: 陣英克(情報通信研究機構)
マイクロサテライト・地上観測連携による高々度放電発光と地球ガンマ線現象の解明
科研費・特別推進研究
研究期間: 2007年4月 - 2010年3月    代表者: 高橋幸弘(東北大学/北海道大学)
スペクトル取得型光学オゾンゾンデの開発
科研費・基盤研究(C)
研究期間: 2007年4月 - 2010年3月    代表者: 村田功(東北大学)
EISCATレーダーを主に用いた磁気圏・電離圏・熱圏・中間圏結合の総合的研究
科研費・基盤研究(B)(海外学術調査)
研究期間: 2006年4月 - 2010年3月    代表者: 藤井良一(名古屋大学)
太陽活動が及ぼす地球大気への影響のモデリングと定量化
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2005年4月 - 2009年3月    代表者: 廣岡俊彦(九州大学)
熱圏擾乱の励起・伝搬の数値シミュレーション
科研費・基盤研究(C)
研究期間: 2006年4月 - 2008年3月    代表者: 藤原 均
衛星と地上観測による雷雲上方の放電発光現象の研究
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2006年4月 - 2008年3月    代表者: 福西 浩(東北大学)
地球起源ガンマ線の生成メカニズムの解明
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2006年4月 - 2008年3月    代表者: 高橋幸弘(東北大学)
レーダー観測とシミュレーションによる北極域下部熱圏-中間圏結合の解明
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2004年4月 - 2008年3月    代表者: 野澤悟徳(名古屋大学)
グローバルな雷放電活動の中層・超高層大気と電離圏・磁気圏への効果の評価
科研費・基盤研究(B)
研究期間: 2003年4月 - 2006年3月    代表者: 高橋幸弘(東北大学)
地球周回衛星による惑星圏遠隔探査のための搭載機器開発
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部: 基礎研究開発費
研究期間: 2001年4月 - 2004年3月    代表者: 森岡昭(東北大学)
雷雲・電離圏間放電による大気圏と電離圏のエネルギー結合過程の研究
科研費・基盤研究(A)
研究期間: 2001年4月 - 2004年3月    代表者: 福西浩(東北大学)
フーリエ変換型分光計及びレーザーヘテロダイン分光計を用いた金星大気の地上赤外観測
科研費・基盤研究(C)
研究期間: 2000年4月 - 2002年3月    代表者: 村田功(東北大学)
光学・レーダー観測による中間圏界面領域の大気重力波とスプライトの共同研究
日本学術振興会: 日米科学協力事業
研究期間: 1999年4月 - 2002年3月    代表者: 福西浩(東北大学)
中間圏・熱圏大気大循環モデルの開発と計算機シミュレーションによる物理
科研費・奨励研究(A)
研究期間: 1998年4月 - 2000年3月    代表者: 藤原 均