研究者業績
基本情報
- 所属
- 藤田医科大学 医学部 医学科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座 臨床教授
- 学位
- 博士(医学)
- 連絡先
- katoq
fujita-hu.ac.jp - J-GLOBAL ID
- 200901097759907550
- researchmap会員ID
- 5000056640
研究分野
1論文
113MISC
243-
日本気管食道科学会会報 76(3) 149-157 2025年6月10日神経変性疾患患者や重症心身障害児(者)は,繰り返す誤嚥性肺炎のため気管カニューレ管理となることが多い。長期間の気管カニューレ留置は合併症のリスクが高くなることや,介護者の頻回な吸引処置が必要となることから,施設入所や在宅医療導入が困難となる。声門閉鎖術は肺炎の回避と吸痰の軽減ができ,カニューレからの離脱が望める有用な手技である。当科にて2015年4月から2022年3月までの7年間に施行した鹿野式声門閉鎖術の18例について有用性や安全性を検討した。術後経過不明1例を除いた呼吸器管理をされていないカニューレ使用患者6例中6例(100%)にカニューレの離脱が可能であり,術後合併症は声門閉鎖部の瘻孔形成1例のみであった。また,術前に経口摂取不可であった5例中3例で術後に経口摂取が可能となり,代替栄養から離脱して経口摂取可能となる症例も認められた。介護者に行ったアンケート調査ではほとんどの症例で吸痰回数が減少し,75%が手術の結果に満足しているとの結果を得た。鹿野式声門閉鎖術は重度の誤嚥性肺炎を繰り返す患者に対して,術後合併症が少なく安全で,カニューレフリーが達成できる術式として有用と考えられた。
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JOHNS 40(10) 1295-1299 2024年10月1日
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日本気管食道科学会会報 = The journal of the Japan Broncho-Esophagological Society 75(5) 289-296 2024年
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日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 / 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 編 125(8) 1260-1266 2022年8月頭頸部がんの中でも特に中咽頭癌扁平上皮癌 (OPSCC) に HPV 関連癌が多い. HPV 関連 OPSCC は喫煙や飲酒がリスク因子となる HPV 非関連 OPSCC とは臨床的特徴が異なり, 治療反応性や予後が明らかに良好なことから異なる癌と考えられている. 実臨床では治療効果や予後を反映した病期分類が必要とされ, 2017年に p16 発現により層別された TNM 病期分類 (UICC 第8版) が発刊された. その結果, HPV 関連 OPSCC の病期分類は, 第7版では大半を占めていた stage IV が遠隔転移のある症例のみとなり, T4, N3 症例以外は stage I または II に分類されることになった. しかし, 現状では HPV status による治療の変更はエビデンスに乏しく推奨されていない. そこで, 比較的若年で長期生存が得られる HPV 関連 OPSCC 患者の治療成績および QOL の向上を目的とした強度低減治療の確立を目指した臨床試験が多く行われている. その手法として, ① 化学放射線療法 (CRT) における放射線量低減と化学療法の省略, ② CRT におけるセツキシマブの併用, ③ 一次治療としての放射線治療と経口的ロボット支援下咽喉頭手術 (TORS) の比較, ④ 経口切除後の補助療法の強度低減, ⑤ 導入化学療法の治療効果に応じた放射線量低減などの試験が行われている. また, 新しい試みとして CRT と免疫チェックポイント阻害薬併用放射線療法の比較試験も始まっている. 本稿では HPV 関連癌の動向や臨床的特徴, TNM 病期分類の変更点, 臨床試験の動向について概説する.
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耳鼻咽喉科臨床 111(10) 681-685 2018年10月症例は20歳女性で、統合失調症、てんかん性精神病の既往があり、歯磨き中に意識を消失して転倒し、歯ブラシが口腔内にある状態で救急搬送された。喉頭内視鏡検査では上咽頭腔に歯ブラシの柄側を認め、ブラシ側(先端)は下咽頭右梨状陥凹に穿通していた。頸胸部造影CTでは縦隔気腫を認め、歯ブラシ先端は右梨状陥凹から甲状腺右葉外側を通過し右腕頭静脈上縁に接していた。緊急で静脈麻酔下に前頸部を横切開し、中気管切開術を施行した。次に全身麻酔導入後に頸部皮膚を右胸鎖乳突筋前縁に沿って切開し、甲状腺右葉を翻転させ歯ブラシの先端を鎖骨裏面から慎重に引き出し、咽頭にある柄を右梨状陥凹穿通部より引き抜いた。術後2日目に自身で気管孔創部を離開させたため創部を再度縫合し、術後11日目に肺炎を認めたため抗菌薬投与を要したが、その後は経過良好で術後41日目に精神科に転科した。術後管理には精神科医の協力が不可欠であった。
書籍等出版物
1講演・口頭発表等
139共同研究・競争的資金等の研究課題
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2023年4月 - 2026年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2022年4月 - 2026年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2022年4月 - 2025年3月
その他教育活動上特記すべき事項
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件名医学部4年生講義(耳鼻咽喉・口腔系)開始年月日2010終了年月日2013概要医学部4年生に頭頸部腫瘍に関する講義を行った。
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件名教養試験医学系OSCE評価者終了年月日2013概要OSCE試験の評価を行った。
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件名臨床実地問題演習セミナー終了年月日2010概要臨床実地問題および解説の作成を行った。
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件名基本的診療技能Ⅱ(実習)終了年月日2010概要耳鼻咽喉科領域の診察に関する技能実習を行った。
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件名PBLⅡ開始年月日2011終了年月日2012概要PBL実習のテキスト作成、チューターとして指導した。
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件名CM-Ⅱ学内講義終了年月日2013概要耳鼻咽喉科領域の内視鏡所見に関する講義を行った。
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件名オープンキャンパス模擬講義終了年月日2014概要オープンキャンパスにて模擬講義を行った。