牟田 季純, 越川 房子, 石川 遥至, 井上 和哉, 松野 航大, 松原 貴子, 菅村 玄二
日本心理学会大会発表論文集 84 SS-033-SS-033 2020年9月8日
がんや慢性疼痛を抱える患者へのストレス低減法として開発されたマインドフルネス技法は,うつ,不安,境界性パーソナリティ障害といった様々な症状へ適用範囲を拡げ,マインドフルネス認知療法,アクセプタンス&コミットメントセラピー,弁証法的行動療法といった固有の介入方法として展開されてきた。そうした技法の発展はマインドフルネス瞑想という共通項を持ちながらも,互いに特異な背景理論によって支えられている。本シンポジウムではこうした介入技法の背景にある諸理論を紐解きながら,「疼痛」を共通テーマに据えることで各技法のアプローチの違いを浮き彫りしたい。疼痛の経験は,マインドフルネス技法が重視する「身体感覚」に深く根ざしたものであり,各種の情動障害に併発することが少なくない症状でもある。そうした身体性の問題をクロスロードに「マインドフルネス」という枠組みが果たす役割や機能を整理していきたい。