丸山磨美
大阪樟蔭女子大学 研究紀要 第16巻 112-120 2026年1月22日 筆頭著者
本研究は、5 歳児を対象に赤・青・黄・白の4 色の絵の具を用いた造形活動を通して、幼児の自発的表現の広がりを明らかにすることを目的とした。対象は放課後造形教室に参加したA 組・B 組の計17 名である。活動は二段階で行い、第1 に絵の具を自由に混ぜて複数枚の画用紙に描く活動、第2 に同じ絵の具を用い、画用紙をT シャツ型に切って自分だけの作品を製作する活動を設定した。観察記録および作品を分析した結果、第1 の活動では偶然に生まれる色や質感を楽しむ探索的な表現が多く見られ、第2 の活動では模様やデザインを考え「作品化」を意識する傾向が強まった。また、経験の有無による取り組み方の違いも確認された。以上から、絵の具活動は幼児が「驚き」や「喜び」をきっかけに自ら興味を持ち、表現を広げていく場として有効であることが示唆された。さらに、その姿を記録し学生に伝えることは、保育士養成において幼児教育の魅力を理解させる上でも意義がある。