中国古代の染織品における植物文について   馬王堆一号漢墓に見られる   茱萸文”の検討   
The 23th International Costume Congress 2008年8月
馬王堆一号漢墓出土の染織品の植物文には"茱萸文"と呼ばれるものがある。茱萸とは呉茱萸を指し、中国中南部原産で長江以南に広く栽培されるミカン科の落葉小高木である。"茱萸文"は、墓主の生前の生活を反映している北側の辺箱から出土した枕の錦部分の地文として用いられ、また遺体を覆う衣服にも刺繍で施されている。しかし、"茱萸文"が本当に呉茱萸を表わしたものであるかについては疑問があり、本発表では"茱萸文"と呼ばれる植物文の表現内容を再検討した。