荒木 陽三, 鮫島 俊哉
日本音響学会誌 72(4) 173-181 2016年 査読有り筆頭著者
本論文では,スペクトル法を用いた,張力を有する円形薄板振動場の高精度な解析手法を提案する。解析する支配方程式として張力のかかった薄板の曲げ振動方程式を考え,膜,薄板,張力のかかった薄板のいずれも解析できるようにする。スペクトル法は領域全体にわたって高次の補間多項式を用いることで,有限要素法などの他の数値解析手法に比べて高い精度で数値解を得ることができる数値解析手法である。極座標系における一般的なスペクトル法では,円周方向には微分マトリクスを適用して離散化するが,提案手法ではフーリエ級数展開を用いて解析的に扱う。円周方向にも離散化を行って微分マトリクスを適用した場合や軸対称要素による有限要素法と比較し,提案手法が少ない未知数でも効率的に高精度の解を得ることができることを示す。