内田 勇人

ライフストーリーを語り、語ったという行為がどのような行動の変化をもたらすかという点に重点を置き、12名(全女、平均83.5歳)を対象に、幼児期から老年期、現在という発達段階をもとにインタビューを行った。ライフストーリー介入前後で各種評価指標を用いて評価を行った結果、日本語版簡易知能検査スケールにおいて「場所見当識」の一部と「遅延再生」に有意差がみられた。個別にみると行動の変化はみられたが、日常生活動作能力向上、認知症の行動障害の改善、意欲の向上、満足度向上に関しては統計学上の有意差はみられなかった。ライフストーリー介入は、要介護高齢女性にとって認知機能改善の方法の一つとなりうると考えられた。