江川 健太, 富田 隆弘, 大橋 瑞江, 藤堂 千景, 山瀬 敬太郎, 谷川 東子, 檀浦 正子, 平野 恭弘, 池野 英利
日本森林学会大会発表データベース 129 474-474 2018年
<p>森林のもつ表層崩壊防止や土砂流出防止などの減災機能を評価するため、地中レーダ法を用いて樹木根系を推定する研究が進められている。この方法は、非破壊的に根の存在位置や直径を推定することが可能であるが、その検出の成否は土壌の状態や測定方法など様々な条件の影響を受けることがわかっている。地中レーダ法の精度を確かめるには実際に、土壌を取り除き、空間座標を導入して根の存在位置、直径などを測る必要がある。しかしながらこの作業は非常に煩雑で、根系全体についてデータを取得するのは多大な労力を必要とする。本研究では、海岸クロマツを対象とし、幹を切り、土を取り除き、根を露呈した状態で上空から写真を撮り、その写真から根の水平根情報を得ることを試みた。実際に手作業で測った根の存在位置、直径と比べたところその誤差は30%以下であった。また、地中レーダ法で得られた根の存在位置情報から樹木根系の構造の再構築を行った結果を、写真から得た根の情報と比較した。その結果、根系の主要構造を決定づける直径5㎝以上の根については、地中レーダ計測結果の評価のために使用できるデータが空撮画像から取得可能であることが明らかになった。</p>