研究者業績

石田 弘明

イシダ ヒロアキ  (Hiroaki Ishida)

基本情報

所属
兵庫県立大学 自然・環境科学研究所 自然環境系 生物資源研究部門 教授
兵庫県立人と自然の博物館 副館長 兼 自然・環境再生研究部長
兵庫県森林動物研究センター 主任研究員
学位
博士(農学)(東京農工大学)
修士(教育学)(神戸大学)
学士(教育学)(神戸大学)

J-GLOBAL ID
200901010525573277
researchmap会員ID
1000296307

研究キーワード

 3

学歴

 3

論文

 105
  • Amjad Khan, Atsuko Takano, Chung-Kun Lee, Hiroaki Ishida
    PhytoKeys 279 85-110 2026年9月11日  査読有り
    Salvia is a taxonomically challenging genus in the Japanese archipelago, comprising 12 distinct species, eight of which are endemic. In this study, the nutlet micromorphology of 19 taxa (species and varieties) assigned to the sections Glutinaria , Heterosphace , Notiosphace , and Sobiso was investigated using light and scanning electron microscopy. This study aimed to evaluate the systematic significance of nutlet morphology in Japanese Salvia . Nutlet size ranged from 0.64 × 0.45 mm in S. plebeia (sect. Notiosphace ) to 3.27 × 2.27 mm in S. koyamae (sect. Glutinaria ). The L/W ratio varied from 1.06 in S. glabrescens var. repens (sect. Glutinaria ) to 2.54 in S. pygmaea var. pygmaea (sect. Sobiso ). Nutlet shapes were elliptic, narrow-elliptic, and ellipsoidal in sect. Sobiso ; ovoid to obovoid and spherical in sect. Glutinaria ; and ovoid in both sect. Heterosphace and sect. Notiosphace . Abscission scar morphology varied among the sections, being squarish, triangular, irregular, or orbicular in sect. Sobiso ; irregular to orbicular in sect. Glutinaria ; orbicular in sect. Heterosphace ; and triangular in sect. Notiosphace . Four major types of surface sculpturing were recognized: colliculate with irregular surface cells in sect. Glutinaria ; reticulate with pentagonal to hexagonal cells in sect. Sobiso ; tuberculate with large rounded knobs in sect. Heterosphace ; and verrucate with small wart-like projections in sect. Notiosphace . Principal component analysis (PCA) based on taxon means demonstrated that nutlet size-related characters contributed most strongly to the observed variation among the studied taxa. Overall, the diversity of nutlet morphology highlights the diagnostic value of these characters for taxonomic identification at both the species and sectional levels within Japanese Salvia .
  • 濱野 友, 石田弘明, 中濱直之
    New Entomologist 75 14-21 2026年7月  査読有り招待有り
  • Khan, A., Sultan1, A., Wali Khan, S., Alam, J., Jatoi, S.A., Abid, R., Takano, A., Ishida, H., Lee, C.
    The Journal of Japanese Botany 101 188-195 2026年6月  査読有り
  • 髙比良 響, 田村和也, 石田弘明
    植生学会誌 43 65-72 2026年6月  査読有り責任著者
  • 一町裕子, 黒田有寿茂, 石田弘明, 中濵直之
    人と自然 36 58-66 2026年1月  査読有り
  • 鐵 慎太朗, 黒田有寿茂, 石田弘明
    植生学会誌 42 85-90 2025年12月  査読有り責任著者
  • 鐵 慎太朗, 黒田有寿茂, 石田弘明
    植生学会誌 42 49-58 2025年12月  査読有り責任著者
  • Yanagihara, L., Ishida, H., Inagaki, S., Kusunoki, F.
    Proceedings of the 24th International Conference on Mobile and Ubiquitous Multimedia 463-466 2025年11月  査読有り
  • Hamano, T., Suyama, Y., Matsuo, A., Ban, T., Watanabe, K., Yamasaki, T., Yamada, K., Ishida, H., Nakahama, N.
    NeoBiota 101 303-320 2025年10月  査読有り
  • 小林 仁, 黒田有寿茂, 石田弘明
    植生学会誌 42 29-41 2025年6月  査読有り責任著者
  • 田村和也, 佐野香織, 石田弘明
    日本緑化工学会誌 50 43-48 2024年9月  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 中濱直之, 一町裕子
    兵庫ワイルドライフモノグラフ 16 50-58 2024年3月  査読有り
  • 石田弘明
    植生学会誌 40 33-38 2023年12月  査読有り
  • 黒田有寿茂, 石田弘明
    人と自然 33 115-121 2023年3月  査読有り
  • 石田弘明, 江間 薫, 黒田有寿茂
    植生学会誌 39 93-98 2022年12月  査読有り
  • 石田弘明, 武田義明
    人と自然 32 47-56 2022年1月  査読有り
  • 江間 薫, 黒田有寿茂, 石田弘明
    植生学会誌 38 161-173 2021年12月  査読有り責任著者
  • 石田 弘明
    植生学会誌 37 57-61 2020年6月  査読有り
  • 石田弘明
    植生学会誌 36 71-79 2019年12月  査読有り
  • 石田弘明, 鐵 慎太朗
    人と自然 30 101-108 2019年12月  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 服部 保
    人と自然 30 75-83 2019年12月  査読有り
  • 石田弘明, 矢倉資喜, 黒田有寿茂, 岩切康二
    植生学会誌 35 35-46 2018年6月  査読有り
  • 橋本佳延, 石田弘明, 黒田有寿茂, 大谷雅人
    人と自然 28 87-95 2017年12月  査読有り
  • 鐵 慎太朗, 黒田有寿茂, 石田弘明
    植物地理・分類研究 65 69-76 2017年12月  査読有り
  • 石田弘明
    兵庫ワイルドライフモノグラフ 9 29-44 2017年  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 岩切康二
    植生学会誌 33(1) 15-32 2016年6月  査読有り
    1. オオバヤドリギは樹上に生育する半寄生の常緑低木である.オオバヤドリギは比較的希少な種であるが,宮崎県立平和台公園の敷地内には本種の寄生を受けている樹木(以下,宿主木)が数多く分布している.また,これらの多くではシュートの枯死が認められる.このような樹木の衰退はオオバヤドリギの寄生に起因していると推察されるが,オオバヤドリギの寄生と樹木衰退の関係について詳しく検討した例はみられない.2. 本研究では,オオバヤドリギの宿主選択特性とその寄生が樹木に与える影響を明らかにするために,平和台公園においてオオバヤドリギの寄生状況と宿主木の衰退状況ならびにこれらの状況の経年変化を調査した.3. 今回の調査では27種,422本の宿主木が確認された.宿主木の樹高の範囲は1.4-27.0 mで,その96.9%は林冠木であった.種別の幹数はマテバシイが最も多く,総幹数の62.8%を占めていた.4. 本研究と既往研究の間でオオバヤドリギの宿主木を比較した結果,総種数および総科数はそれぞれ67種,29科であった.このことから,オオバヤドリギは少なくとも67種29科の樹木に寄生しうることが明らかとなった.5. マテバシイの寄生率は樹高と共に増加する傾向にあり,樹高が寄生率の高低に関係していることが示唆された.また,マテバシイとアラカシの寄生率は林冠木の方が下層木よりも有意に高く,林冠木がオオバヤドリギの寄生を受けやすいことが示唆された.6. 樹種に対するオオバヤドリギの選好性について検討した結果,マテバシイ,コナラ,スギ,ヒサカキはオオバヤドリギの寄生を受けやすく,逆にシイ類,クスノキ,ハゼノキ,コバンモチ,ナンキンハゼ,アカメガシワなどは寄生を受けにくいことが示唆された.7. 宿主木の衰退の程度を5段階で評価した(衰退度1-5;衰退度5は衰退の程度が最も大きい).その結果,全宿主木の86.7%は衰退度2以上であった.また,これらの中には衰退度5の宿主木も複数含まれており,その幹数は全宿主木の19.7%を占めていた.さらに,マテバシイの衰退度とオオバヤドリギの被覆面積との間には強い正の有意な相関が認められた.これらのことから,調査地における宿主木の衰退の主な要因はオオバヤドリギの寄生であると考えられた.8. 宿主木の中には追跡調査時に枯死が確認されたものが数多く含まれていた.このことから,オオバヤドリギの寄生は宿主木の枯死を引き起こすことが明らかとなった.9. 衰退度5の総幹数は83本で,このうちの89.2%はマテバシイであった.また,追跡調査時に枯死が認められた宿主木の85.4%はマテバシイであった.これらのことから,マテバシイはオオバヤドリギの寄生によって著しく衰退し,場合によっては枯死に至る種であると考えられた.10. 平和台公園にはマテバシイが優占する「放置状態の照葉二次林」がまとまった面積で分布しているので,このことが本公園におけるオオバヤドリギの繁茂に強く関係していると考えられた.
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 大門 宏, 渡辺民治, 鐵 慎太朗
    人と自然 26 61-69 2015年12月  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 服部 保
    植生学会誌 32 123-129 2015年12月  査読有り
  • 黒田有寿茂, 石田弘明, 岩切康二, 福井 聡, 服部 保
    植生学会誌 32 95-116 2015年12月  査読有り
  • 石田弘明
    植生学会誌 31(2) 165-178 2014年12月  査読有り
    <p>1. ニホンジカ(以下,シカ)の生息密度が高い兵庫県朝来市では,中国原産の落葉高木であるニワウルシが夏緑二次林とスギ人工林の伐採跡地に逸出し優占群落を形成している.本研究では,このようなニワウルシ群落の種組成,構造,主な成因を明らかにすると共に,ニワウルシ群落の今後の動態を予測することを目的とした.</p><p>2. ニワウルシは伐採跡地に数多く逸出し,夏緑二次林伐採跡地とスギ人工林伐採跡地のそれぞれで1000 m2 以上の優占群落を形成していたが,その隣接地に分布する夏緑二次林とスギ人工林の林内では樹高1.5 m 以上のニワウルシはまったくみられなかった.</p><p>3. ニワウルシ群落には在来の先駆性木本種や夏緑二次林の主要構成種がわずかしか生育していなかった.この主な要因はシカによるこれらの種の採食であると考えられた.一方,ニワウルシについてはシカの採食はまったく認められなかった.このことは,ニワウルシがシカの不嗜好性植物であることを示している.</p><p>4. ニワウルシ群落の主な成因は,1)夏緑二次林とスギ人工林の皆伐によってまとまった面積の陽地が形成されたこと,2)ニワウルシの競合種の定着と成長がニホンジカの採食によって阻害されたことであると考えられた.</p><p>5. ニワウルシ群落の上層(高さ1.5 m 以上)を構成するニワウルシのサイズ構造は一山型であった.また,年輪解析の対象としたニワウルシ(胸高直径1.6-15.0 cm)はいずれも2002-2005 年に侵入したものであり,夏緑二次林の伐採跡地に分布するニワウルシ群落では2006-2013 年に侵入したニワウルシの上層への加入がほとんど起こっていないことが示唆された.これらのことから,種子由来のニワウルシがニワウルシ群落の内部で持続的に成長・更新することは不可能であると考えられた.</p><p>6. 夏緑二次林の伐採跡地に分布するニワウルシ群落の内部には幼個体が数多く生育していた.これらの幼個体の発生由来を調査した結果,その大半は根萌芽由来であることが示唆された.このようなニワウルシのラメットバンクはニワウルシ群落の更新にある程度寄与しうると考えられた.</p><p>7. 調査地でみられたニワウルシの最大樹高は15.0m であったが,樹高成長の頭打ちは認められなかった.ニワウルシの最大樹高は20-30 m と報告されているので,調査地に生育するニワウルシの林冠木は今後も樹高成長を続け,いずれは林冠高が20-30 m に達するような高木林を形成する可能性が高いと考えられた.</p>
  • 石田弘明, 高比良 響, 服部 保, 武田義明
    植生学会誌 31(1) 51-69 2014年6月  査読有り
    1.ブナ林の断片化に伴う面積の縮小がブナ林の種多様性(species richness)と種組成に与える影響を明らかにするために,中国山地の東部に位置する扇ノ山において,断片化したブナ林(20箇所)の植物相と立地環境を調査し,樹林全体の種数および種組成と面積の関係について検討を行った.<BR>2.面積と海抜の比高および微地形単位数との間には強い正の有意な相関があり,立地環境の多様性が小面積化によって低下する傾向が認められた.<BR>3.GleasonモデルとArrheniusモデルを適用し,ブナ林構成種の種数と面積の関係を解析したところ,様々な分類群(全種,高木,低木,地生草本,地生シダ,絶滅危惧種,分布密度の低い種,好適湿性種)の種数が面積によって強く規定されていることが明らかとなった.<BR>4.小面積化による欠落傾向を示す種が数多くみられたことや,DCAの1軸スコアと面積の間に有意な直線関係が認められたこと,小面積化によって欠落しやすい種ほどDCAの1軸スコアが増大する傾向が認められたことから,小面積化は多くの種の欠落を引き起こし,樹林全体の種組成を著しく単純化させることがわかった.<BR>5.絶滅危惧種,分布密度の低い種,好適湿性種は小面積化によって欠落しやすい傾向が認められた.このことから,小面積化による種の欠落には3つの要因,すなわち1)出現確率の低下,2)個体数の減少に起因する絶滅確率の増大,3)適湿地の消失が関係していると考えられた.<BR>6.ブナ林構成種の合計種数は195種であったが,最大面積(85.63ha)の樹林にはこのうちの172種(88.2%)しか出現しなかった.このことから,調査地域のブナ林植物相を1箇所の樹林で維持するために必要な面積は86ha程度でも不十分であることがわかった.
  • 藤原千鶴, 田村和也, 辻 秀之, 石田弘明, 南山典子, 塚原 淳, 守 宏美, 服部 保
    人と自然 24 123-134 2013年12月  査読有り
  • 石田弘明, 矢倉資喜, 塩谷智也
    人と自然 24 45-49 2013年12月  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 栃本大介, 江間 薫
    植生学会誌 30(1) 51-69 2013年6月  査読有り
    1. 兵庫県北部に分布する3タイプの畦畔法面草原,すなわち1)棚田の畦畔法面草原(以下,伝統型草原),2)管理が放棄されている伝統型草原(以下,放棄型草原),3)圃場整備水田の畦畔法面草原(以下,整備型草原)を対象に植生調査を実施し,各草原タイプの階層構造,優占種,種組成,種多様性(調査区あたりの出現種数)を比較した. <BR>2. 伝統型草原と整備型草原は平均群落高が0.5m前後でチガヤが優占していたが,放棄型草原は平均群落高が2.0m(最大値は2.7m)でススキが優占していた.<BR> 3. DCAによって得られた調査区のスコアとWI,傾斜角度,斜面方位の相関係数は1軸,2軸ともに低かった.また,DCAの1軸スコアと2軸スコアから構成される座標平面上では各草原タイプはそれぞれ独自の領域に分布していた.これらのことから,3草原タイプの種組成の相違には管理放棄と圃場整備が大きく関係していると考えられた. <BR>4. 放棄型草原では伝統型草原の構成種が数多く欠落する傾向にあった.また,種多様性は伝統型草原の方が放棄型草原よりも有意に高く,その差は大きかった. <BR>5. 整備型草原は伝統型草原よりも種組成が単純で種多様性も低い傾向にあった.全種数に対する外来種数の比率は整備型草原の方が伝統型草原よりも高かったが,外来種数は両草原タイプともに少なく有意な差は認められなかった. <BR>6. 一年生草本の種多様性は伝統型草原と整備型草原の間でよく似ていたが,多年生草本の種多様性は伝統型草原の方が整備型草原よりも明らかに高かった. <BR>7. 路傍草本の種数を伝統型草原と整備型草原の間で比較したところ,両草原タイプ間の差は一年生草本,多年生草本ともに小さかった.また,伝統型草原を構成する一年生草本の大半は路傍草本であった.これらのことから,一年生草本の種多様性が圃場整備後に復元しやすい理由の一つは,整備型草原の周囲に存在する路傍が整備型草原に対する一年生草本の種子供給源として機能しているからと考えられた. <BR>8. 放棄型草原の調査地から採取した土壌サンプルをもとに実生出現法による種子発芽実験を行った.埋土種子から発芽した種は71種であったが,このうち伝統型草原に出現した種は38種であった. <BR>9. 放棄型草原で欠落する傾向を示した伝統型草原構成種48種のうち,埋土種子から発芽した種は17種にすぎなかった.このことから,放棄型草原の管理再開による伝統型草原の種組成の復元に埋土種子集団が寄与する程度は小さいと考えられた.
  • Asumo KURODA, Hiroaki ISHIDA, Yoshinobu HASHIMOTO, Yoshiaki TAKEDA
    Vegetation Science 30(1) 71-82 2013年6月  査読有り
    伐採・農地化といった人為的インパクトがシダ植物の種多様性,種組成,被度に及ぼす影響を明らかにするために,中国雲南省南部の常緑広葉樹林とその伐採・畑跡地に成立した落葉広葉樹林を対象に調査・比較解析を行った.その結果,落葉広葉樹林におけるシダ植物の種多様性は常緑広葉樹林のそれと同等であったが,落葉広葉樹林は非森林生の地上生シダ,常緑広葉樹林は森林生の着生シダで特徴づけられるなど,種組成には若干の差異が認められた.また,積算被度にも差異が認められ,非森林生の地上生シダについては落葉広葉樹林で大きく,森林生の地上生シダおよび着生シダについては常緑広葉樹林で大きかった.これらから,調査地はシダ植物の再定着が進みやすいサイトであるが,その確実な保全のためには人為的インパクトの拡大を避けるべきと考えられた.
  • 福井 聡, 石田弘明, 矢倉資喜, 武田義明
    ランドスケープ研究 76(5) 457-460 2013年3月  査読有り
  • 石田弘明, 武田義明, 塩谷智也, 服部 保
    人と自然 23 69-79 2012年12月  査読有り
  • 石田弘明, 服部 保, 黒田有寿茂, 橋本佳延, 岩切康二
    植生学会誌 29(1) 49-72 2012年6月  査読有り
    1. シカの生息密度(以下,シカ密度)が異なる屋久島低地部の複数の場所において照葉二次林と照葉原生林の植生調査を行い,シカ密度の低い照葉二次林(以下,低シカ密度二次林),シカ密度の高い照葉二次林(以下,高シカ密度二次林),シカ密度の低い照葉原生林(以下,低シカ密度原生林)の階層構造,種組成,種多様性を比較した.<BR> 2. 第2低木層(高さの上限は2m前後)の植被率は高シカ密度二次林の方が低シカ密度二次林よりも有意に低く,シカの強い採食圧が第2低木層の植被率を大きく低下させることが明らかとなった.また,二次林の全調査林分を対象に第2低木層の植被率とシカ密度の関係を解析したところ,両者の間にはやや強い負の有意な相関が認められた. <BR>3. DCAを行った結果,全層の種組成は低シカ密度二次林と高シカ密度二次林の間で大きく異なっていることがわかった.特に下層(第2低木層以下の階層)ではこの差が顕著であり,多くの種が低シカ密度二次林に偏在する傾向が認められた.これらのことから,シカの強い採食圧は屋久島低地部の照葉二次林の種組成を著しく単純化させると考えられた.ただし,ホソバカナワラビやカツモウイノデなどは高シカ密度二次林に偏在する傾向にあり,シカの不嗜好性が高いことが示唆された. <BR>4. 高シカ密度二次林の下層の種多様性(100m^2あたりの照葉樹林構成種数)は低シカ密度二次林のそれよりも有意に低く,前者は後者の50%未満であった.また,このような傾向は高木,低木,藤本のいずれの生活形についても認められた.<BR> 5. 二次林の種多様性とシカ密度の関係を解析した結果,全層,下層,第2低木層では両変数の間にやや強い負の有意な相関が認められた. <BR>6. 低シカ密度二次林と低シカ密度原生林を比較したところ,前者は後者よりも種組成が単純で種多様性(特に草本,地生シダ,着生植物の種多様性)も非常に低かった.この結果と上述の結果から,屋久島低地部の照葉二次林の自然性は照葉原生林のそれと比べて格段に低いこと,また,シカの強い採食圧はその自然性をさらに大きく低下させることがわかった. <BR>7. 屋久島低地部の照葉二次林の保全とその自然性の向上を図るためには,シカの個体数抑制や防鹿柵の設置などが必要である.また,照葉二次林の自然性を大きく向上させるためには種子供給源である照葉原生林の保全が不可欠であり,その対策の実施が急務であると考えられた.
  • 服部 保, 南山典子, 栃本大介, 石田弘明, 黒田有寿茂
    植生学会誌 29 16-27 2012年6月  査読有り
  • 石田弘明, 山名郁実, 小舘誓治, 服部 保
    植生学会誌 29(1) 1-13 2012年6月  査読有り
    1. 淡路島の森林伐採跡地(皆伐前の植生はウバメガシ群落)とその周辺部において各種の調査を行い,外来木本ナンキンハゼの逸出状況とその優占群落の生態的特性を明らかにすると共に,ナンキンハゼ群落の成立に必要な要因について検討した. <BR>2. 約4haの範囲を対象にナンキンハゼの逸出個体(樹高1m以上)の空間分布を調査した.伐採跡地には1118個体が分布していたが,伐採跡地に隣接するウバメガシ群落にはまったく分布していなかった.また,優占群落が確認された場所は植栽個体から100m以内に位置していた.<BR> 3. 伐採跡地ではウバメガシ群落の主要構成樹種であるウバメガシ,コナラ,ネズミモチ,マルバアオダモなどや暖温帯の代表的な先駆性樹種であるアカメガシワ,タラノキ,カラスザンショウなどがほとんどみられなかった.この主な原因はニホンジカによるこれらの種の食害であると考えられた. <BR>4. 調査地のナンキンハゼ群落の主な成因は, 1) ウバメガシ群落の皆伐によってまとまった面積の陽地が形成されたこと, 2) 伐採跡地の近傍(100m以内)に種子供給源があったこと, 3) ナンキンハゼの競合種の定着と成長がニホンジカの採食によって阻害されたことであると考えられた. <BR>5. ナンキンハゼ群落と在来植物群落(コシダ群落,ウラジロ群落,裸地群落,ウバメガシ群落)に1m^2の調査区を合計94個設置して植生調査と土壌調査を行った.これらの調査結果を群落間で比較したところ,裸地群落ではニホンジカの影響による表土の流亡が認められたが,ナンキンハゼ群落の表土はウバメガシ群落のそれとよく似ていた.一方,種多様性(1m^2あたりの種数)は全種,在来種ともにナンキンハゼ群落が最も高く,他の群落との差は大きかった.ナンキンハゼの優占はニホンジカの採食による表土の流亡と種多様性の低下をある程度抑制していることが示唆された. <BR>6. 逸出個体の最大樹高は7.6mであったが,植栽個体のそれは19.0mであった.また,逸出個体では樹高成長の頭打ちは認められなかった.これらのことは,ナンキンハゼ群落が今後も成長を続け,長期にわたって持続する可能性が高いことを示唆している.このような事態の発生は生態系保全上の様々な問題を引き起こす可能性があると考えられた.
  • 石田弘明, 服部 保
    兵庫ワイルドライフモノグラフ 4 116-124 2012年3月  査読有り
  • 石田弘明, 服部 保
    兵庫ワイルドライフモノグラフ 4 32-47 2012年3月  査読有り
  • 三橋弘宗, 北村俊平, 山崎義人, 上田萌子, 田中哲夫, 加藤茂弘, 高野温子, 布施静香, 赤澤宏樹, 石田弘明
    展示学 50 132-133 2012年  査読有り
  • 黒田有寿茂, 石田弘明, 服部 保
    保全生態学研究 16(2) 159-167 2011年11月  査読有り
    水湿地に生育する絶滅危惧植物ツクシガヤ(イネ科)の保全に向け、その種子発芽特性と種子保存方法を明らかにするために数種の発芽試験を行った。段階温度法による試験の結果、本種は散布された段階では休眠状態にあり、休眠解除には2〜3週間程度の冷湿処理が必要であること、高温により二次休眠が誘導される性質をもつこと、発芽可能な温度域の下限は20℃付近にあることが示唆された。これらの結果から、本種の種子は秋季に散布された後、冬季に休眠解除され、春季に発芽していると考えられた。前処理の水分条件を変えた試験の結果、数ヶ月の冠水は種子の発芽能力に負の影響を及ぼさないこと、発芽時の水位条件を変えた試験の結果、数cmの冠水は種子の発芽を妨げないことがわかった。これらの水分・水位条件に対する性質は、頻繁に冠水する水湿地で定着するための有効な特性と考えられた。保存条件を変えた試験の結果、本種の種子の大部分は、遮光アルミパックへの抜気封入処理により、少なくとも3年は発芽能力を保持することが確認された。本種の保全に向けては、現存個体群の保護、生育立地の維持と共に、抜気封入処理による種子保存を補完的に進めていくことが有効といえる。
  • 橋本佳延, 服部 保, 黒田有寿茂, 石田弘明, 南山典子
    保全生態学研究 15 71-87 2010年  査読有り
  • 服部 保, 栃本大介, 南山典子, 橋本佳延, 藤木大介, 石田弘明
    植生学会誌 27 35-42 2010年  査読有り
  • 石田弘明, 黒田有寿茂, 橋本佳延, 澤田佳宏, 江間 薫, 服部 保
    保全生態学研究 15(2) 219-229 2010年  査読有り
    近年、ニホンジカ(以下、シカ)による暖温帯夏緑二次林の食害が多くの地域で認められるようになってきた。本研究では、シカの採食による暖温帯夏緑二次林の種多様性・種組成の変化の特徴について検討するため、兵庫県南東部と大阪府北西部の暖温帯に分布する(1)シカの採食を全くあるいはほとんど受けていない夏緑二次林(以下、無被害林)と(2)シカの採食を強く受けている夏緑二次林(以下、被害林)に100m^2の調査区を合計50個設置して植生調査を行った。シカの採食可能な範囲にある低木層(高さ約2m)と草本層の植被率は被害林の方が無被害林よりも有意に低かった。両階層の落葉植物種数(/100m^2)もこれと同様の傾向を示した。低木層と草本層の落葉植物種数を生活形(高木、低木、草本、藤本)ごとに比較した結果、落葉植物の種多様性は生活形の違いに関わらずシカの採食による負の影響を受けること、また、低木層の種多様性は草本層のそれよりもその影響を受けやすいことが示唆された。低木層と草本層の種組成は森林タイプ間で大きく異なっており、多くの種が無被害林の識別種として区分された。しかし、被害林の識別種は両階層ともにシキミだけであった。以上のことから、シカの採食は暖温帯夏緑二次林の種組成を著しく単純化させると結論した。
  • 服部保, 南山典子, 岩切康二, 石田弘明, 橋本佳延, 栃本大介
    人と自然 21 121-131 2010年  査読有り
  • 服部保, 黒田有寿茂, 石田弘明, 南山典子
    人と自然 21 137-144 2010年  査読有り

MISC

 44

書籍等出版物

 30

講演・口頭発表等

 61

共同研究・競争的資金等の研究課題

 102