町田 貴絵, 北島 裕子, 鈴木 英子, 渡邊 裕見子
日本健康医学会雑誌 31(1) 52-60 2022年4月28日
筆者らが過去に行った質的研究と文献に基づき,医師との連携を含む病棟看護師のチーム連携を評価するための29項目からなる尺度の原案を作成し,関東の大学病院の病棟看護師1285名を対象にして,尺度原案29項目を含む質問紙を用いた調査を実施した。分析対象は617名(48.0%)であった。一般化最小2乗法プロマックス回転を用いた探索的因子分析により,尺度原案29項目から,「病棟内のコミュニケーション」,「メンバー間のサポート」,「医師との協働」,「チームにおける倫理的行動」の4因子17項目を必須項目として選定し,病棟看護師のチーム連携を評価するための尺度(病棟看護師のチーム連携評価尺度:Ward Nurse Team Collaboration(WNTC)尺度)を完成させた。完成したWNTC尺度の適合度は確証的因子分析により確認した。クロンバックα係数は,17項目全体が0.91,因子別では0.86〜0.91の範囲であった。再テスト法における級内相関係数は0.82,外的基準とした「チームプロセス尺度」との相関係数は0.65であった。以上より,本研究で開発した17項目からなるWNTC尺度は,病棟看護師のチーム連携を評価する尺度として十分な信頼性と妥当性があると判断した。