玉利,舞花, 酒巻,貴美, 下之角,千草, 岡本,由希, 鬘谷,要
和洋女子大学紀要 66 251-259 2025年3月1日
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月経期間中の快適性と利便性を向上させるために開発され、昨今注目を集めている吸水型サニタリーショーツの機能性評価について検討を行った。本報告では、異なる吸水素材や構造を持つ製品を対象に疑似血液を用いた速乾性評価と、生理食塩水を用いた保水性評価を行った。疑似血液を用いた速乾性試験では、使い捨て生理用ナプキンに比べ、吸水型サニタリーショーツの方が吸水後の水の拡散性が高く、乾燥時間が短い傾向が認められた。さらに経過時間毎の吸水面の温度は、使い捨て生理用ナプキンに比べ吸水型サニタリーショーツの方が低値に示され、装着時の冷却感および不快感に繋がる可能性が示唆された。生理食塩水を用いた保水性試験では、給水量の増加とともに試料間での保水性の差が顕著に示され、ある吸水型サニタリーショーツにおいては、10mlを給水した時点で水を蓄えることができず、飽和状態(吸水面から水が溢れる状態)となった。本報告の吸水型サニタリーショーツの機能性評価により得られた知見を活かし、今後は給水方法や加重方法において、さらなる改善を進めるとともに、通気性、消臭性や抗菌性評価についても検討していきたい。