段ノ上,秀雄, 大井,千鶴, 榎本,晶, 浅野,広恵, 永嶺,仁美, 石井,佳代子, 熊田,奈津紀, 白鳥,孝子
和洋女子大学紀要 67 385-396 2026年3月31日
PDF
本稿は、和洋女子大学看護学部の成人看護学領域で、2025年度、看護学部の3年次科目である成人看護学援助論III(看護過程・看護技術)および成人看護学実習I(急性期・回復期)において、学生の周手術期看護の技術修得に向け、段階的に取り組んだ術後シミュレーション教育に焦点を当てた演習内容の報告である。成人看護援助論IIIでは、「タスク・トレーニング」、「シチュエーション・ベースド・トレーニング」の2つの演習構造と、「ロールプレイ」、「シミュレーターモデルまたは模擬患者によるフルスケール・シミュレーション」の3つの演習形態を用いて、臨地実習開始に向けたシミュレーション教育を展開した。また、成人看護学実習I(急性期・回復期)の開始時は、フルスケール・シミュレーションでのシチュエーション・ベースド・トレーニングを復習という観点から再度実施した。事例は、いずれも胃全摘術(ルーワイ法)を受ける50代の男性とし、術直後の観察を2回、術後1日目の離床支援を1回実施した。周手術期系の演習を多様な演習構造と演習形態によって、段階的に行うことにより、学生は主体的にモデリング学習を行い、多様な形式で内省的実践の態度を養いながら、臨地実習に向けて周術期にある患者への理解を深化していった。今後は、演習における学修がさらに深まるよう、座学の教授法についてもさらなる改善を行っていくとともに、学修成果を、定性的・定量的に評価することが課題である。